君の甘い笑顔に落とされたい。
◇あいつと俺
────………
『俺は、花戸さんのこと好きだよ』
放課後、音楽室のソファに寝転がりながら、少し前の自分の言葉を思い出した。
2人きりの教室、花戸さんの小さな体。
ぐるぐる、頭の中が回っている。
ぎゅっと瞼を閉じて、息を吸い込んだ。
「あーーーっ。くっそはずい……」
まだ心臓が痛い。
まさか自分の口からあんな言葉が出てくるとは思わなかった。
勢いで告白しちまった……
もっとこう、ちゃんとした感じで言いたかったのに。
結局同じ実行委員の女子に電話で呼び出されて、中途半端に終わってしまったし。
でも……泣いてる花戸さん見たら、止められなかった。
……花戸さん、顔すげー赤くなってたな。
ただでさえ大きい目をさらに見開かせて、なんならちょっと震えてて。