君の甘い笑顔に落とされたい。
紙パックのオレンジジュースを飲みながら、
久世くんの方を見る桃ちゃん。
「 茉白はどう思う?」なんて聞かれたから、
「格好良いって評判だもん。恋に落ちてもおかしくはないよね」って答えた。
「久世!なぁ、今日こそは放課後どっか遊び行こうぜ?」
「ちょっとやめてよねっ。久世くんは、私らと先に約束してんの!」
チラリ、窓際の久世くんの席を見る。
男子にも女子にも囲まれて、やっぱり久世くんって皆の人気者だ。
「お前らうるさい。どっちにも行かねーよ」
机に頬杖をついて、気だるそうにあくびをする。
「「え〜っ!?」」なんて残念そうな声が教室に響いて、久世くんは長いため息を吐く。