君の甘い笑顔に落とされたい。





ここだけの話、私は久世くんと同じ中学出身で、皆よりも少しだけ昔の久世くんを知っている。

同じクラスになったことはないけれど、遠くからずっと久世くんのことを見てた。


今と変わらず、いつも誰かに囲まれていて、皆が久世くんの名前を呼ぶ。

久世くんは、昔から魅力的な人だった。



「──茉白!見て、これ」
「なぁに?桃ちゃん」



休み時間にて。
桃ちゃんが見せてくれたのはとある雑誌の1ページ。

……"ドキドキ!好きなあの子と両想いになるおまじない"……?

へぇ〜。おまじないとか何だか懐かしいねっ。



「桃ちゃんもこういうの興味あるの?」
「いやいや!私じゃなくて、茉白に見せるために持ってきたんだよっ」
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