君の甘い笑顔に落とされたい。
手首は掴まれたまま。
久世くんは、私を解放する気はまだないらしい。
「俺以外にもそんな風になんの」
「……え?」
「それとも、そーやって真っ赤になんのは俺にだけ?」
まさかそんなことを聞かれるとは思わなくて、頭が真っ白になる。
久世くんは、どうして急に、そんなこと……
「嘘つくのはなしで」
「ぅ、」
わ、分かんないよ、そんなの。
久世くんはいったい何を求めてるの……?
「く、久世くん以外に、こんな風になったことないから、分かんない……」
「……」
「……久世くんが初めて、だから、」
恐る恐る、久世くんを見上げる。
相変わらず何を考えているのか分からない表情。
けれど、しばらくして久世くんはようやく私の手首を離してくれた。