君の甘い笑顔に落とされたい。
し、幸せそう……!?
そんな顔してる!!?
「私彼氏とか出来たことないし、今はバンドが楽しいからそっち一筋だけどさ?
茉白と恋バナとかもしてみたいなぁって思うんだよね」
「桃ちゃん……」
桃ちゃんは高校生になって初めてできた友達で、私なんかよりしっかりしてて、いつも優しくて頼りになって。
……私、大事な友達にずっと隠しごとしてたんだな……
「……実はね──」
私が久世くんのことをどう思っているのか、
久世くんのどんなところに惹かれるのか。
教室から移動した先は、人通りの少ない階段の踊り場。
私の話を聞き終えた桃ちゃんは、「やばいね」と呟くように言った。
や、やっぱり、私なんかが久世くんのことを想っているのは身の程知らずだよね……?