君の甘い笑顔に落とされたい。
や、やばいっ。私が見てたことバレちゃった……!
慌てて顔を逸らしてぎゅっと目をつぶる。
……って、こんな反応、明らかに意識してるみたいでは……!?
あぁもうっ、どうして久世くんのことになると頭が真っ白になっちゃうの。
しっかりして、私っ。
「ん?久世、どうした?」
先生の不思議そうな声にハッとして顔を上げる。
気付けば久世くんは自分の席から立ち上がっていて、「腹痛いんで保健室行ってきます」なんて言っていた。
え、久世くん、お腹痛かったの……?
そんな風には見えなかった……。
だ、大丈夫かな?
「保健委員に付き添ってもらうか?」
「あー、じゃあ……」
ぱちぱち、瞬きをする。
だって、久世くんがなぜか私のことを見ている……ような気がするから。