君の甘い笑顔に落とされたい。
「なにが」
なんて、まるで全部お見通しかのように余裕げに笑う。
私はというともうパニック状態。
私の気持ち、久世くんにバレてるの?バレてないの?
あぁ、私もどうしてもっと上手く流せないんだろうっ。
「……って、久世くん?どこ行くの?」
保健室は1階なのに、どうして階段をのぼっていくの?
「お腹痛いなら保健室行かないと……」
「あぁ、あれ嘘だから」
「えっ!」
数段のぼった先で、久世くんは私を見下ろしている。
「花戸さんと話す口実」
「……え、」
「2人きりじゃねーと素直になってくれなさそうだったから」
ぴく、と反応してしまう。
分からない。
久世くんが何を考えているのか、分かんないよ。