君の甘い笑顔に落とされたい。


「どういうこと……?」



私の小さな声に、"分かってるくせに"とでも言うかのように久世くんは意地悪く笑う。



「音楽室行くけど、おまえも来る?」
「でも……」

「無理にとは言わないけど。どうする?」
「……」


だって、それってつまり2人で授業をサボるってことだよね?

そんなことして、いいのかな?
ううん、本当はいけないんだよ。

いけないって、分かってるけど……



「それとも、"来いよ"って、腕引っ張って欲しい?」



ねぇ、久世くん。
それってわざと?

わざと、私に選ばせてるの?
やっぱり、ずるいよ。

ずるい久世くんにも、胸が鳴る。
私って本当にどうしようもなくて、



「……ひっぱって、久世くん、」



久世くんには、弱い。




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