君の甘い笑顔に落とされたい。

『周りの目なんて関係ないよ。一番大事なのは自分の気持ちなんだから』



そうだね、桃ちゃん。
本当に、その通りだと思う。

私は最初から、久世くんのことを見つめるだけじゃ、足りなかったんだ。

足りなくて、どうにかして近づきたくて。
だから髪を短くして、おまじないをかけたの。


久世くんと両想いになれますように、って。



「ロングとボブ、どっちが好き?」



私、久世くんに近づきたい。
久世くんの隣にいたい。



「……自分の好きなほうにすればいーんじゃない」
「うん、でも、少しでも久世くんの好みに近づきたい……」



今さら、自分の気持ちに素直になるだなんてね。
こんな私のこと、笑わないでね。
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