弟子入りさせて下さい、生徒会長!
この学校のルールは面白い。
生徒会は各委員会の委員長で構成されている。
委員会はたくさんあって、図書委員会、学祭実行委員会、学PR委員会、など様々。
委員長になるには現委員長に勝負を挑む必要がある。勝負内容は挑戦者が決められる。
「委員会と全然関係ないことで勝負するんですよね」
「面白いでしょ。数年前から始まったばっかりなんだけどね」
「そんなんですか、伝統かと思ってました」
ちょうど私が入学した時に図書委員長戦をやっていて、腕っぷしが強そうな2年生がひょろひょろした委員長に腕相撲を挑んで、普通に負けていた。
図書委員が腕相撲……?
と1年生はみんな思ったけど、関係ないことで勝負するのが普通らしい。
「それにしてもアイツに腕相撲仕掛けるなんてマジで無謀なことしたよな、あの2年生。アイツには俺でも勝てねーのに」
その時のことを思い出したようで耀義先輩がそう呟いた。
いや、でもそこまで耀義先輩も強く無さそうだけど。細いし。
「というかお前ら話脱線し過ぎだ。はやくまとめろ」
「ごめんごめん」
生徒会長が笑いながら言った。
「それで海影さんはどこか委員会入ってる?」
「学校PRに入ってます」
「学P……すっちーがいるところ……。
うん、おっけー」
そこで生徒会長は一旦言葉を切った。
足を組み、手も膝の上で組んで、挑戦するように笑いかけた。
「それで海影さん、がんばってみる?」