弟子入りさせて下さい、生徒会長!

何かあるのかな?
ていうかさっき、借りがあるって言ってなかった?
兄ちゃん、生徒会長に貸しなんか作ってのか・・・。
いったい何をしたんだ・・・兄ちゃん。

「お茶を出すよ。好きな紅茶とかある?結構揃ってると思うよ」

「じゃあ、ルフナで」

絶対ないだろう、ていう紅茶の名前を挙げてみる。
こういう時は舐められないように頭の良さをそこはかとなく伝えるのがいいって兄ちゃん言ってた気がする・・・たぶん。

「ルフナ……ミルクティーにした方がいいかな?」

もしやルフナを知っている・・・?

「ストレートでお願いします」

「わかった。僕にはダージリンのおかわり持ってきて?」

「はいはい」

耀義先輩がなげやりに答えた。
ルフナがあるなんて、私は兄ちゃんに教わるまでルフナの存在すら知らなかったのに。






「ごめんね、それで弟子入りって?」

耀義先輩がキッチンスペースに行くのを見送ると、生徒会長がそう切り出した。

「ああ、はい。この学校、11月に学園祭あるじゃないですか」

「うん、あるね」

「そこでミス&ミスターコンやると兄ちゃ…兄から聞いたんですが、そのミスターコンの賞品が確か・・・」

「学食1年間大盛りタダ券だよ」

「それです」


思わず食い気味に言ってしまった。
でも、これこそがが私がこの学校に入った理由。
学食大盛りタダ券、なんて素晴らしいシステム。
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