悪党みてぇな貴族だった俺、転生した現代で小動物系美少女をふる
二章 手作りクッキー騒動
「今日の三時間目と四時間目の授業で、一組と二組の女子は、合同の調理実習でクッキーを焼くらしい」
体育の授業後、教室で着替え終わったクラスメイトの男子たちが、どこか緊張した面持ちで真剣に見つめ合っている。そんな真面目な静けさが漂う中で、彼らの気持ちを代表するようにそう言ったのは、木島だった。
だからなんだ、と理樹は机に頬杖をついたままそう思った。さっさと着替えて漫画を読んでいた拓斗も、口に入れたポッキーをもごもごさせながら、その様子を眺めている。
「桜羽ちゃんは、九条のために調理部にも入った」
「つまり、じょじょにその腕を上げているに違いない」
「そして、今回のクッキーイベント……」
なぜかそこで、彼らがゴクリと唾を呑み、深刻そうな表情を揃ってこちらに向けてきた。
理樹は、問うように顔を顰めてみせた。すると途端に、木島が「ちくしょーッモテる奴なんて滅びればいい!」と涙目で言ってきたので、ひとまずは「モテてねぇわ」と間髪入れず返してやった。
体育の授業後、教室で着替え終わったクラスメイトの男子たちが、どこか緊張した面持ちで真剣に見つめ合っている。そんな真面目な静けさが漂う中で、彼らの気持ちを代表するようにそう言ったのは、木島だった。
だからなんだ、と理樹は机に頬杖をついたままそう思った。さっさと着替えて漫画を読んでいた拓斗も、口に入れたポッキーをもごもごさせながら、その様子を眺めている。
「桜羽ちゃんは、九条のために調理部にも入った」
「つまり、じょじょにその腕を上げているに違いない」
「そして、今回のクッキーイベント……」
なぜかそこで、彼らがゴクリと唾を呑み、深刻そうな表情を揃ってこちらに向けてきた。
理樹は、問うように顔を顰めてみせた。すると途端に、木島が「ちくしょーッモテる奴なんて滅びればいい!」と涙目で言ってきたので、ひとまずは「モテてねぇわ」と間髪入れず返してやった。