悪党みてぇな貴族だった俺、転生した現代で小動物系美少女をふる
 食品店や飲食店、電化製品店やアパレルショップやカラオケ店といった店が並ぶ街中は、帰宅ラッシュの学生と社会人で溢れていた。いつもの大型スーパーを目指していた理樹は、往来のある通りの脇に固まる学生の集団に気付いた。

 たびたび見掛ける他校の学ランの少年たちが、流れのある道で八人も集まってじっとしている姿は目立つ。一体何をしているんだろうなと目を向けてみると、そこには一人の女子生徒の姿があった。

 なんだ、うちの高校の女子制服じゃねぇか?

 その女子生徒は自身を抱き締めるように、小振りな胸の下で腕を組んだまま仁王立ちしていた。ウェーブをあてているのか、天然ものなのか、大きく波打つ髪は尻をすっぽりと隠すほどに長い。

 同じ高校の女子生徒一人に対して、相手は他校の学ランの男子生徒八人だ。なんの因縁を吹っ掛けられているのかは知らないが、一対複数名というのは目に留まるだけで鬱陶しい。
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