悪党みてぇな貴族だった俺、転生した現代で小動物系美少女をふる
三章 その武道派生徒会長は
衝撃的な朝の正門の光景があったとはいえ、午前中の授業は平和的に何事もなく終わり、昼休みを迎えた。
担当教師が出て行き、それぞれが食堂や弁当を売っている購買に移動しようと動き出した時、教師と入れ違うように教室入口に現れた一人の生徒に気付いた木島が「ぶほっ」と咽た。
その声を聞いてそちらへ目を向けた生徒たちが、途端に「え」と表情を固まらせて口をつぐんだ。遠目から見ている分には構わないが、本人を前にすると威圧感と警戒心が呼び起こされる、と言わんばかりの顔をする。
ちょうど財布をポケットに入れたところだった理樹は、同じようにそちらへと目を向けてすぐ、一時間目の休憩時間を思い返して口角をげんなりと引き攣らせた。理樹に続いて立ち上がった拓斗が「ひゅー」と、吹けもしない口笛の真似事をする。
「ここに『九条理樹』という生徒がいるでしょう。ちょっとよろしいかしら」
教室入口に立った女子生徒が、にこりともせずそう言って、長い髪を払い腰に手をあてた。
担当教師が出て行き、それぞれが食堂や弁当を売っている購買に移動しようと動き出した時、教師と入れ違うように教室入口に現れた一人の生徒に気付いた木島が「ぶほっ」と咽た。
その声を聞いてそちらへ目を向けた生徒たちが、途端に「え」と表情を固まらせて口をつぐんだ。遠目から見ている分には構わないが、本人を前にすると威圧感と警戒心が呼び起こされる、と言わんばかりの顔をする。
ちょうど財布をポケットに入れたところだった理樹は、同じようにそちらへと目を向けてすぐ、一時間目の休憩時間を思い返して口角をげんなりと引き攣らせた。理樹に続いて立ち上がった拓斗が「ひゅー」と、吹けもしない口笛の真似事をする。
「ここに『九条理樹』という生徒がいるでしょう。ちょっとよろしいかしら」
教室入口に立った女子生徒が、にこりともせずそう言って、長い髪を払い腰に手をあてた。