悪党みてぇな貴族だった俺、転生した現代で小動物系美少女をふる
 たかがこれくらいの要求が通らなかっただけで、力技に持っていくような人間が生徒会長をやるわけがないだろう。短絡的で野蛮残念で救いようがない人間というのは、目を見れはだいたい分かるものだ。

 すると、こちらを見ていた宮應の頬に朱が差した。

 それを目に留めた拓斗が、「おや?」と首を傾げた。木島を含むクラスメイトたちが、どうしたのだろうと見守る中、それを正面から見ていた理樹は「は……?」と再び惚けた声をこぼしてしまった。

 おい待て、まさか。

 理樹がそう心の中で独白する暇もなく、唐突に宮應が、先程までの冷静沈着な表情を一変させて、真っ赤な顔でこう怒鳴った。

「そッ、そそそそんなのただのきっかけ作りだってことくらい、察しなさいよ!」

 彼女は誰の目から見ても分かるほど、冷静さをぶっ飛ばして切れていた。

 恥ずかしさのメーターを勝手に振り切らせたその生徒会長は、もはや凶暴女子というよりは、恥ずかしくてたまらないのに叫ばずにはいられない様子で、一気に言葉をまくしたてた。
< 127 / 237 >

この作品をシェア

pagetop