悪党みてぇな貴族だった俺、転生した現代で小動物系美少女をふる
 木島が「そわそわして落ち着かないんだけどッ」と言って立ち上がると、廊下側の窓へ顔を出して、近くの男子生徒を呼んだ。

「おい小林ッ、お前確か一組だよな!?」
「おぅ。あと、こいつらも一組だ」

 廊下にいたスポーツ刈りの少年がそう言って、近くにいた生徒たちを指した。

 木島は「訊きたいんだけどさ」と五組を代表してこう尋ねた。

「桜羽さんは走れるのか!?」
「俺が知ってる限り、ちょっと厳しいな」
「女子なんて、慌てて桜羽を追い駆けていったぜ。残ってるのは青崎くらいか」

 そう口にした彼らは、未だ動けずにいるレイを気遣うように見た。どうすんだろうな、と困ったような互いの顔を確認したところで、意見を求めるように廊下にいた生徒たちを見渡す。
 集まっていた二組、三組、四組の一部の少年少女たちも、一学年で一番有名な沙羅と理樹について知っているからこそ心配だ、という様子で「どうなるんだろう」と同じ不安事を口にした。
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