悪党みてぇな貴族だった俺、転生した現代で小動物系美少女をふる
一章 高校生活一週間目(3)目が覚めたら保健室だったんだが厄介なことに、、、
 彼は、自分はひどい男なんだぜ、とよく口にした。
 荒くれ者だった父は長年にわたる酒の多量摂取で早死にし、当時十八歳で爵位を継いでから一人でやってきた。

 幼い頃の貧しい暮らしが大嫌いで、父が築き上げた成り上がり貴族としての地位を固めるため、社交の場では女から上手く情報を引き出したり、貴族の間でこっそり浸透していたい方取引の場にもよく参加した。

 それなのに結婚前、こんな事を言っていた男がいた。

「お前は優しい男さ、リッキー」
「なんの話だ。酔ってるのか?」
「まだ酔っちゃいねぇが、――俺らみたいな街の荒くれと付き合っても、お前は地獄に落ちるような人間にはなれねぇってことさ」

 彼らと同じように殴り合いの喧嘩をし、イカサマもお手の物で、人を騙すのも得意な人間が悪党ではないなんて、そんな馬鹿なことあるわけがない。

 だからそこ、ドロドロの貴族社会だって平気で図太くやっていけるのだ。
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