悪党みてぇな貴族だった俺、転生した現代で小動物系美少女をふる
 拓斗のそんな声が聞こえて、理樹はそちらへと目を戻した。

「待て。見てた? お前だけじゃなくて?」

 思わず尋ねると、彼が「おぅ」とどこか楽しそうな面で頷き返してきた。

「俺らが教室を出た直後に、沙羅ちゃんがあの風紀委部員の子がお前を呼び出したことを知ったらしくてさ。んで、彼女に味方してる女子と一緒に動いて、ウチのクラスの連中が案内して到着したのが、ちょうど殴り合いが始まったところだったってわけだ」
「…………それでなんで好感度が上がっているんだ?」

 結局、彼女に一発KOで沈められたんだが。

 男子の制服で身を包んだ青崎レイは、一見すると少年と言われても違和感がないとはいえ、やはり同じ年頃の少年よりも小さく線が細い女性である。自分は、そんな相手にぶっ飛ばされて意識を飛ばしたのだ。
 
 すると、拓斗が「そりゃ上がるだろ、沙羅ちゃんたちのいる一組の男子も称賛してだぜ」と言った。
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