君への想い、この音にのせて〜こじらせ幼なじみの恋の行方は〜
プロローグ
口元に、ひんやりとするそれを押しあて
音を奏でる。
目の前に広がる青空を眺めながら、大好きなフルートに息を吹きこむ、休日のこの時間がとても幸せ。
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練習を終えて、目の前の窓を開ける。
ここはマンションの15階。
少しひんやりとした10月の心地良い風が入ってくる。
スゥ、、、フゥー。
深呼吸して、今日も気持ちの良い1日だと口角を上げ、気分良く後ろへ振り返る・・・と
「っ・・・もぉ、また?」
「おつかれさん」
視線の先には私のベッド。
その上には頭の後ろで手を組み、長い脚をのばして色素の薄いサラッとした茶髪の間からこちらを見ているぱっちり二重の瞳。スッと通った鼻筋の下で薄い唇は綺麗な弧を描く。
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