君への想い、この音にのせて〜こじらせ幼なじみの恋の行方は〜


さっきまでどちらかと言うと怒っていたような奏の声が、急に弱々しくなった。
  

私も奏の背中に手を回す。


手放しには喜べないけど、なんだか嬉しくて
胸がきゅーっとなった。



「そんなに、私のこと好きでいてくれたんだね」


思わずふふっと笑ってしまうと、


「なめんなよ。俺の鈴ちゃんへの愛」


そう言って奏はまた、数え切れないほどのキスの雨を降らせた。




ーーーキーンコーン



チャイムの音で、私たちの唇は名残惜しく離れた。


「絶対、俺から離れんなよ」


熱を帯びた眼差しで見つめれて、また胸の奥がきゅーっとなった。


付き合いだしてから、より一層増した気がする奏の色気にやられて、もう心臓がおかしくなりそうだ。


こんなんでこの先やっていけるだろうか。


恋愛経験ゼロからなかなかのステップアップについていくのがやっとだった。



私たちはどちらからともなく手を繋ぐと、空き教室をあとにした。


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