君への想い、この音にのせて〜こじらせ幼なじみの恋の行方は〜



ハハハっと笑っている奏以外。


そのあともお喋りしながら、4人で食べたお弁当は最高に美味しく感じた。



「奏ー!藤田ー!」


お弁当を食べ終わって談笑していると、中庭の入り口の方から女の子がこっちへ走ってくるのが見えた。


「おー美希どうした?」


美希・・・。

そう呼んだ奏に、少し胸に違和感を感じた。


確か、バスケ部のマネージャーだよね。


たまに奏と話しているのを見かけたことはある。でも奏には彼女がいると思ってたから、そんなに気にかけたことはなかったな。


黒髪のひとつ結びだけど、それが似合う綺麗目の健康的な元気な子ってイメージ。



「どうしたって、これからミーティングだよ?さっき放送あったの聞こえなかった?」


ちょっとムスッとした様子の美希ちゃん。


「マジか。聞こえなかったわ。わりー」

「じゃあ行くか」


そう言って立ち上がった奏と勇也くんは「またあとでな」と私たちに言うと美希ちゃんと行ってしまった。



去り際に、無表情で振り返った美希ちゃんと目が合った気がした。


?なんだったんだろう。



「金城美希ちゃんね・・・」


蘭ちゃんも奏たちが行った方を見たままボソっと呟いた。


かねしろ、みきちゃん


その名前に、少し胸がざわつくのを感じたけど、気のせいかと気づかないふりをした。



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