君への想い、この音にのせて〜こじらせ幼なじみの恋の行方は〜



「わー・・・やば」


「え、やっぱり、やばい?」


「鈴・・・似合いすぎだよ!めちゃくちゃ可愛いっ!」


「えっ、ほんと?」


「うん。これはやばいね。鼻血もんだよ」


「いや・・・蘭ちゃん、さすがに言い過ぎだよ」


蘭ちゃんの大袈裟なリアクションに苦笑いをこぼしながら、鏡の前に移動してみる。


ベースは艶のある淡いブルーのサテン生地、その上に水色のシフォン生地が合わさって、散りばめられたラメが動くたび、ゆらゆらと煌めく。

オフショルだけど、二の腕の部分はふわりとしたバルーン状になっていて、スカートの部分は動きやすいようにとボリュームは抑えてあってどちらかというとAラインに近い。

可憐さとエレガントさを併せ持ったドレスだ。



蘭ちゃんが少しメイクも足してくれて、鏡に映る自分はまるで別人だった。



「これは、奏の反応が楽しみね」


可愛い魔女姿の蘭ちゃんがニヤニヤと笑っている。



「そう、だね。期待させるのは嫌だから、当日まで内緒にしてて欲しい」


「ふふ、おっけー。さ、みんなのところ行こっ」



奏はどんな反応してくれるかなぁ。


いつもと違う私を見て欲しいなぁ。


なんて、いつのまにか自分でもその気になっていることに驚いた。




吹部のみんなのところに戻ると、みんなすごく褒めてくれて、なんだか照れ臭かった。


他のみんなのコスプレもクオリティが高くて、人気アニメのキャラや着ぐるみ、全身タイツに寿司職人?などなどバラエティに富んでいてさらに本番が楽しみになった。

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