君への想い、この音にのせて〜こじらせ幼なじみの恋の行方は〜
昼休みが終わって、5限目。
放課後は部活に専念させるために、学園祭前の午後の授業は、すべて学園祭準備にあてられている。
どのクラスもガヤガヤと賑やかに作業していて、移動も自由だから学校全体に活気がでている。
私も自分のクラスがやるクレープカフェの内装の手伝いをしていた。
今は、テーブルに配置するメニュー表のコピーを頼まれて、職員室に向かっているところ。
外で作業している人たちも楽しそうだなぁ。
なんて、窓の外を見ながら廊下を歩いていた。
「鈴ちゃん」
急に後ろから呼ばれて振り返ると、
あ、バスケ部マネージャーの、確か・・・
美希ちゃん。
「急にごめん。教室からひとりで歩いていくのが見えて、追いかけてきちゃった。・・・ちょっと話したいんだけど、今いいかな?」
美希ちゃんはハキハキとそう言った。