君への想い、この音にのせて〜こじらせ幼なじみの恋の行方は〜
「あ・・・うん、少しだけなら」
なんだろう。
美希ちゃんと個人的な関わりはほとんどないし、バスケ部のマネージャーということしか美希ちゃんについて他に何も知らない。
「ちょっと場所移動してもいい?」
そう言って、少し歩いた先の使われていない空き教室に入った。
私なにかしたかな・・・
色々考えてみたものの、全く思い当たる節がなかった。
凛とした雰囲気の美希ちゃんに、少し引け目を感じてしまう。
「あのさ、」
お互い少し距離をとって立ったまま、美希ちゃんが口を開いた。
「奏と付き合ったんだってね」
「え、・・・あ、うん」
いきなり奏の名前が出てきたもんだから驚いた。