君への想い、この音にのせて〜こじらせ幼なじみの恋の行方は〜
支配する黒
部活が終わって昇降口で靴を履き替える。
はあ。と心の中でため息がでる。
どんより重たい気分。
外の暗さと冷たさでより一層気分が沈む。
誰かと話していれば気が紛れるのに、蘭ちゃんは家の用事があるとかで今日は先に帰ってしまった。
奏と待ち合わせしている校門までトボトボと歩みを進める。
美希ちゃんのあの凛とした顔がずっと頭から離れない。
ちょっとでも早く、奏の顔が見たい。
安心したい。
だから体育館まで迎えに行こうかと一度足を止めたけど、体育館に行くと、嫌でも美希ちゃんといるところを見てしまうことになる。
それも嫌だから、やっぱり真っ直ぐ校門に向かうことにした。