君への想い、この音にのせて〜こじらせ幼なじみの恋の行方は〜
奏が私のことを好きでいてくれていることはわかっているんだけど、
だけど、
美希ちゃんの方が良いのかなって考えが過ぎったりする。
私はバスケのこと詳しくないし、ただ応援することしかできない。
でも美希ちゃんは・・・一番近くでサポートしてあげられるんだよね・・・
あーーーっ
さっきからそんな考えばかりが頭をぐるぐる駆け巡ってしまう。
それを振り切るように頭を左右に振った。
「華山?大丈夫か?」
その声に振り返ると、十也くんが昇降口の階段を降りて来たところだった。
早めに音楽室を出たはずなのにトボトボ歩いていた私は、みんなに追いつかれたみたいだ。
他の部員の子たちも「バイバーイ」と言いながらパラパラ通り過ぎて行く。