君への想い、この音にのせて〜こじらせ幼なじみの恋の行方は〜
「元気ないよな?なんかあった?」
十也くんは隣に立つと、低くて落ち着いた声でそう問いかけた。
「ううん。なんでもないよ」
自然を装って返事してまた歩き出してみたけど、ダメだったみたいで、
「なんでもないって感じじゃないだろ。・・・俺でよければ話聞くけど?」
私に歩幅を合わせながら隣を歩く十也くんはそう言った。
誰かに話したい。
それはずっと思ってた。
いつもは蘭ちゃんに聞いてもらってたけど、今日はそれができなくて。
でも、こんなことを十也くんに話すのは失礼な気がするし・・・。
そんなことを考えながら、しばらく無言になってしまっていると、