君への想い、この音にのせて〜こじらせ幼なじみの恋の行方は〜


「・・・・・・無理に離さなくてもいいけどさ、華山が、なんか困ってるなら、俺は力になりたい。部活のことでも、・・・・・・水瀬のことでも、なんでも聞くよ」


『水瀬のことでも』奏の名前が出てきて、パッと十也くんの方を見てしまった。


「・・・やっぱ、水瀬のこと、だろ?・・・いいよ。遠慮せず話して」


そう言って困ったように、でも優しく微笑んでくれた十也くんに、話を聞いて欲しいと思ってしまった。



「・・・・・・うん・・・あの、ね」


美希ちゃんの名前は伏せて、奏に告白すると言ってきた子がいることを話した。


「私・・・嫌だって思った。私が彼女なのにって・・・。でも、だんだん自信がなくなってきて、・・・その子の方が堂々としてるし、・・・奏にも合ってるんじゃないかな、とか奏がそっちを選んだらどうしようとか色々考えちゃって・・・」


いつの間にか校門に着いた私たちは、立ち止まって話していた。

黙って聞いてくれる十也くんに、私はペラペラと内に秘めていたドロドロした気持ちを吐露してしまっていた。


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