君への想い、この音にのせて〜こじらせ幼なじみの恋の行方は〜
「全然。普通だよ、普通。相手のこと好きだったら誰でも思うことだろ。・・・俺だって長谷部にどんだけ嫉妬してると思ってんだよ」
「奏は・・・美希ちゃんのこと、好きになったりしてないの?」
「ないない。美希はただの友達。というか部活の仲間だな。俺が好きなのは鈴だから。昔からずっと鈴だけだよ。言っただろ?俺の鈴ちゃんへの愛、なめんなって」
奏の言葉と、包まれている香りと体温、奏のすべてが、私の胸のモヤモヤを溶かしていった。
「ごめん、奏。・・・十也くんに話してたのは、本当は部活のことじゃなくて、今奏に話したことなの。・・・今日ずっとモヤモヤしてて、誰かに話を聞いて欲しかったんだけど、蘭ちゃんも今日は帰っちゃって・・・そしたら、十也くんが心配してくれて、話を聞いてくれたの・・・。そんな時に奏と美希ちゃんが仲良さそうに歩いて来たから、私も意地張っちゃって・・・・・・また奏を嫌な気持ちにさせて、ごめんね」