君への想い、この音にのせて〜こじらせ幼なじみの恋の行方は〜
「大丈夫じゃない。鈴からキスしてくれたら治る」
「ええ!い、今!?」
「今。ここで」
「む、無理だよっ。誰か通るかもしれないし」
「大丈夫。誰もいない。ほら、今、ん。」
そう言って目を閉じる奏。
目を閉じても綺麗な顔だな・・・
なんて、そんなこと思ってる場合じゃなくて。
えぇーーっ
どどうしよう。
「すーず、早く」
目の前の整った顔は、目を閉じたまま急かす。
うぅーーっ
するしかない状況みたいだ。
周りを見渡して、人の気配がないのを確認して、形の良い唇を目掛けて、つま先に力を込めた。