君への想い、この音にのせて〜こじらせ幼なじみの恋の行方は〜
「すいません!プリンセスと王子の2ショット欲しいんですけどいいですか!?」
そう言って来た人が、十也くんを連れてきた。
「あ・・・はい」
二人並んで写真を撮られる。
「えー!ヤバいヤバい!」と人がどんどん集まり始める。
「もうちょっと寄り添ってくれません?」
「王子!プリンセスの肩に手を添えてみたり!」
「顔寄せて、見つめ合ったりできますー?」
色んな注文が飛んでくる。
どんどんエスカレートしていきそうで戸惑っていると、右側に立っていた十也くんが、私の左肩を優しく包んだ。
びっくりして十也くんを見ると、
「ごめんな。これくらいにしといて、あとは無視しよう」
そう苦笑いして、カメラの方を向いた。
びっくりしたけど、よかった・・・。
これ以上やらずに済みそうで。
そう、心の中でホッとしたところだった。