君への想い、この音にのせて〜こじらせ幼なじみの恋の行方は〜
その言葉と同時に後頭部に手が回され、奏の顔が降りてきた。
一瞬触れて離れた唇は、また角度を変えて何度も私を熱く包んだ。
「・・・ずっと我慢してた。鈴があんまりにも可愛すぎるから。ステージもずっと目が離せなかった」
熱を帯びた色気漂う瞳に見つめられる。
「俺、鈴のフルートの音、どこにいてもわかる自信あるわ」
「ふふっ。本当に?」
「ほんと。ちぃせー時からずっと吹いてきただろ?俺、昔から好きなんだよ、鈴のフルート」
「そうだったんだ・・・嬉しい・・・ありがとう」
なんだか照れ臭いけど、少しうるっときてしまう。
「あ、私も奏のドリブルの音わかるよ?私も昔から大好きなの。奏の音」
「ははっ、マジ?それはすげぇな」
そのあとも私たちは他愛もない話を続けた。
クラスのクレープカフェのことや私の知らない学園祭の様子を奏が話してくれて、学園祭をまるっと楽しめた気分になれた。
奏と両想いになって迎えた今年の星宮祭は、妬いたり妬かれたりと色々あったけど、それも含めて、とても幸せな思い出になった。