君への想い、この音にのせて〜こじらせ幼なじみの恋の行方は〜
戸惑う心
文化祭が終わると、気づいたら12月入っていた。
奏たちバスケ部は、12月頭に開催された全国大会で準優勝という結果を納めた。
優勝できなかったことは残念だけど、準優勝でも充分素晴らしい結果だと思う。
それに、奏は大会MVPに選出されたんだ。
学校でも表彰されていたし、イケメンということもありTVやスポーツ誌の取材なんかも来ていたりして、忙しそうだったけど、奏も嬉しそうだった。
それらが落ち着いた翌週の週末に、私の家で奏の家族と一緒にお祝いパーティーをすることになっていた。
お祝いパーティー当日。
お母さんと一緒にお昼頃からせっせと料理を作っていた。ローストビーフに生ハムサラダ、クラムチャウダーに、魚介たっぷりパエリア、その他おつまみ。
奏が大好きなローストビーフだけど、全体的にクリスマスパーティーみたいなメニューになった。
ダイニングテーブルにお皿をセットしたり、少しデコレーションしたりしてお祝い感がでるように飾り付けた。
奏が喜ぶ姿を想像するとワクワクする。
それが顔にも出てしまっていたようで、「鈴、口元が緩みっぱなしよ」とお母さんに笑われた。