君への想い、この音にのせて〜こじらせ幼なじみの恋の行方は〜
「おー美味そうな匂いだな」
そう言ってお父さんが自分の部屋から出てきた。
ツアーも終わり、年末のイベントまでは少しゆっくりできるみたいでちょうど良いタイミングだった。
「もう少しで奏くんたちも来るから、お父さんも席座ってて」
「そうか、久しぶりにみんなで飲むの楽しみだなぁ」
お父さんも嬉しそうに頬を緩ませながら席に着いた。
「こんばんはー!お邪魔しまーす」
玄関のチャイムが鳴って、迎えにいったお母さんと一緒に、元気な声の優さんが入ってきた。その後ろに「おじゃましまーす」と奏と奏のお父さんが続く。
「どうぞどうぞ、座って。さぁ、酒も準備して乾杯しよう」
いつものように早く飲みたいお父さんがそう言って、みんなが笑う。