君への想い、この音にのせて〜こじらせ幼なじみの恋の行方は〜
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4限目が終わり、昼休みに入った。
廊下も教室もガヤガヤと賑やかになる。
私の席は廊下側から2列目の一番後ろ。
その隣は蘭ちゃんで、最高の席なんだ。
ちなみに、奏も同じクラスだけど窓側だから離れている。
チラッとそっちに目をやると奏の周りには数人の女子がいてキャッキャと楽しそうにしていた。
・・・・・・。
「鈴、お弁当持ってきてる?」
「うんっ、蘭ちゃんは?」
「私も今日はお弁当!じゃあ売店行かなくていっか」
「そだね」
持ってきたお弁当をカバンから机に出して席を立つと、
「ーー華山」
教室の入り口から、低くて落ち着いた声で呼ばれる。
「十也くん」
「あ、長谷部じゃん」
隣のクラスの長谷部十也(ハセベ トウヤ)くんが教室に入って来た。
十也くんは、同じ吹部のパーカッションを担当している。
切れ長二重の黒髪が似合うクールなイケメン君だ。
奏ほどじゃないけど、十也くんもかっこいいと騒いでいる子たちもいる。
「はい。言ってた楽譜、コピっといた」
「わーもうやってくれたの?ありがとう!」
「おう」
笑顔でコピーしてくれた楽譜を受け取る。
なんだか十也くんの顔が少し赤くなった気がする。
あれ、どうかしたのかな?
と思っていたら、