君への想い、この音にのせて〜こじらせ幼なじみの恋の行方は〜
「お父さん、今日は奏のお祝いなんだからね」
「わかってるよ、鈴。奏くんが大会MVPなんて、自分の息子のことみたいに喜んでるよ。だから、ほら、乾杯だろ?」
お父さんは上機嫌に大人たちのグラスにお酒を注いだ。
「おじさん、ありがとうございます」
奏も嬉しそうに微笑んでいた。
「じゃあ奏くん、全国大会MVP、おめでとう!乾杯!」
「「「かんぱーい!」」」
みんなでグラスを掲げた。もちろん、私と奏はジュースだけど。
おしゃべりな優さんを中心に、奏の試合の話で盛り上がっていた。
お父さんたちもお酒が進んでいるようだ。