君への想い、この音にのせて〜こじらせ幼なじみの恋の行方は〜
「奏くん、アメリカ行くのかい?」
すぐ口を開いたのはお父さんだった。
「あら?奏・・・まさか、鈴ちゃんに話してないの?」
空気を察してか、急に大人しくなった優さんが奏に言った。
「・・・ホント、おしゃべりだよな」
奏はボソッと呟くように返した。
え・・・奏・・・?
困惑したまま奏を見つめる。
だれも言葉を発さない。
ガタッ
いきなり立ち上がった奏は、親たちの方を向いた。
「ちょっと鈴と話してきていいですか」
「あ、うん。いってらっしゃい・・・」
私のお母さんも少し困惑した様子で返事をした。