君への想い、この音にのせて〜こじらせ幼なじみの恋の行方は〜
「あーごめん」
顔のすぐ横には奏の胸板があって、その言葉は頭の上から振ってきた。
微かに奏の心臓の音が耳に届く。
温かい腕に包まれて心地よさを感じた。
「俺だけかと思って。寂しいと思ってるのが。自分のやりたいことやりに行くのに、自分勝手なのはわかってんだけどさ、鈴に会えなくなると思ったら俺、やっぱすげー寂しいわ」
それを聞いて、私も奏の背中に腕を回して少し力を込めた。
「毎日、連絡はとれるのかな?」
「うん。時差はあるけど、とれるよ」
「そっか。じゃあ毎日連絡する」
「うん。そうして。俺も連絡するから」