君への想い、この音にのせて〜こじらせ幼なじみの恋の行方は〜
「ふふ、ちょっと楽しみになった。遠距離恋愛?」
「俺は、んー、心配だな。俺がいないってわかったら、他の奴ら遠慮なく寄って来そうだし。長谷部もいるし。あーー、鈴にバリア張りたいくらい」
「バリアって。ふふ、大丈夫だよ。私が好きなのは、奏だから」
そう言って奏の顔を見ると、私を見つめる瞳が熱を帯びていた。
「鈴、ここベッドの上な。あんま煽んな」
「え、煽る?」
首を傾げると、チュッと軽くキスされた。
「今日はどっちの親もいるし、これでやめとく。・・・・・・戻るか」
奏の腕が解かれて、温かさが逃げる。
それがすごく寂しく感じて、咄嗟に自分から奏に抱きついた。
「奏・・・、もう1回」
「なっっ、鈴っ、ちょっ・・・・・・はぁ。もー、可愛すぎかよ」
私に抱きつかれて一瞬ビクッとした奏は、頬を赤らめてそう言うと、さっきよりほんの少しだけ長いキスを落としてくれた。
お互いにほんのり顔を赤くしてリビングに戻った私たちは、何してたのよーとお母さんたちに冷やかされたのだった。