君への想い、この音にのせて〜こじらせ幼なじみの恋の行方は〜
「っ奏・・・、恥ずかしいよ」
「大丈夫。周りもカップルだらけだし、みんな自分たちの世界でわかんねーだろ」
「もうっ」
ツリーに照らされて、目立ってるんじゃないかと思うと恥ずかしくて少し俯いた。
「それより、そろそろ帰ろーぜ。今のだけじゃ全然足りねーし。ケーキ買って俺の部屋で食べよぜ」
「ケーキ!いいね!食べたいっ」
「フッ。その感じは全然わかってねーよな」
「え?わかってるよ!ケーキでしょ?」
「うん、まあいいや。行こう」
私たちはマンションの近くのケーキ屋さんでそれぞれ好きなケーキを買い、奏の家に向かった。
「あれ、優さんたちは?」
「あー、母さんたちもデートに行くって言ってたからまだ帰ってこないと思う」
「そおなんだ!素敵だねっ」
夫婦になって歳を重ねてもデートなんて素敵だなぁ。
私のお父さん、お母さんはクリスマスのイベントでどっちも仕事。
それも素敵なんだけどねっ。
「ほんと、無防備だよな」
「え?」
「いや、なんでもない」