君への想い、この音にのせて〜こじらせ幼なじみの恋の行方は〜


「んっ」


びっくりして数回瞬きをしたと思う。


奏の顔がドアップで焦点が合わない。


ゆっくりと離れて、満足そうな綺麗な顔をしっかりとらえた。


「うん、うまいな」


「なっ、今のは、ちがうじゃんっ」


いきなりキスされたことに、徐々に顔が熱を持つ。


「そーだな、鈴が俺のケーキ食べたあとだったから同じ味だったわ。だから今度は鈴が食べさせて」


「もう、さっきもそうしようとしたのにっ」


口では怒りながらも、素直に自分のケーキを奏の口に運んだ。


「んー、うまいな、ありがと。じゃあ、早く食べてさっきの続きするか」


「え、」


「なに、嫌?さっき俺言ったろ?全然足りねーって」

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