君への想い、この音にのせて〜こじらせ幼なじみの恋の行方は〜
「奏は、もう、私のこと好きじゃないの?」
「・・・・・・ごめん」
「もう・・・何言っても、無理、なの?」
「・・・うん」
「・・・・・・・・・そっか、・・・わかった」
「・・・・・・・・・じゃあ、な、鈴」
そう言って、電話は切れた。
いつの間にか朝になっていたらしい。
重たい瞼を開ける。
夢だったんじゃないかって、心配し過ぎて、酷い悪夢を見たんだって思いたかった。
遮光カーテンの隙間から朝日が入りたさそうにしているまだ薄暗い部屋で、眩しく光るスマホの画面が現実だと知らせる。