君への想い、この音にのせて〜こじらせ幼なじみの恋の行方は〜
届けたい想い
「え?は?ちょっと待って。本当に?本当に別れたの?」
「鈴ちゃん、本当に?奏が言ったの?」
昼休み、中庭で蘭ちゃんと勇也くんと一緒にご飯を食べている時に、奏から電話が来て話したことを伝えた。
「うん、・・・ほら」
最後のメッセージのやり取り画面も見せた。
ふたりは言葉をなくして視線を交わしていた。
蘭ちゃんは勇也くんから私に視線を戻すと、
「あり得ないわよ。向こうで何かあったんじゃないの?」
首を横に振ってそう言った。
「ううん、私も聞いたけど、バスケを本格的にアメリカで頑張りたいんだって。だからもう日本に戻らないかもしれないからって」
「・・・そうは言っても、あの奏が・・・」
蘭ちゃんは一点を見つめて考え込んでしまっている。
「鈴ちゃん、俺もアイツから何も聞いてないから、とりあえず連絡して聞いてみるよ」
勇也くんはそう言ってくれて、勇也くんになら奏も何か他に理由を話すかもしれないと、少し期待して待っていた。
でも次の日、勇也くんの口からは私が聞いた理由と全く同じものが返ってきた。