君への想い、この音にのせて〜こじらせ幼なじみの恋の行方は〜
「金賞、おめでとう。よく頑張ったわね。素晴らしかったわよ」
その言葉に、堰を切ったように涙が溢れる。
お母さんの温かい手が優しく背中を摩ってくれる。
エントランスホールにはまだたくさんの人がいたけど、そんなことは気にならなかった。
悔し泣きか、嬉し泣きでもしているんだろうくらいにしか思われていないと思う。
私の場合は、嬉し泣き。
いや、それよりも・・・
今まで張り詰めていた糸が切れて、見ないようにしていた思いが胸の中で湧き上がる。