君への想い、この音にのせて〜こじらせ幼なじみの恋の行方は〜
「・・・はい」
「よぉ、久しぶり」
いずれ連絡して来るだろうと思っていたが、思っていたよりも早かった。
「・・・おう。・・・聞いたのか?」
「ああ。奏・・・お前、何があった?大丈夫なのか?」
鈴から別れたことを聞いたんだろう。
「勇也・・・俺さ、・・・歩けないらしい」
「え・・・」
「・・・事故に遭ってから、動かせないんだ、足。今も。・・・このあいだドクターに言われてさ、この先も歩けるようになる可能性は・・・低いって」
こいつには話しておきたかった。
聞いて欲しかった。
「なんだよそれ・・・」
勇也の声が小さくなって、動揺しているのがわかる。
しばらく沈黙が流れた。