君への想い、この音にのせて〜こじらせ幼なじみの恋の行方は〜
みんな、みんな事故に遭った俺を、歩けない俺を腫れ物を扱うように接してきた。
わかってる、周りが悪いわけじゃない。でも余計に俺はネガティブな沼にどんどんハマって抜け出せなくなっていた。
それをコイツは、いとも簡単に片手でヒョイっと引っ張り出す。
「・・・ハハ。勇也、・・・お前、本当すげぇわ」
「なんだよ」
「いや・・・ありがとな。なんかお前と話したら、元気でたわ」
「グズグズしてっと、お前なんか余裕で抜いてやるからな」
「そんな簡単に抜かせねぇよ。・・・なぁ勇也、鈴には足のこと、黙ってて欲しい。俺、やれるだけ頑張ってみるから、だから、歩けるようになったら、鈴に会いに行く」