君への想い、この音にのせて〜こじらせ幼なじみの恋の行方は〜
なんだかんだ、最後の1年は奏がいなくても、この高校生活はずっと奏一色だったかもしれない。
この学校には奏との思い出の場所がいっぱいあって、そこに行くたび奏のことを思い出すこともたくさんあった。
その思い出の場所も今日で最後なんだ。
・・・寂しいなぁ。
そう思って、手に握っていたネックレスをチャリっと鳴らした時だった
「すーず!ここにいたの」
「鈴ちゃん、探したよ」
蘭ちゃんと勇也くんが教室に入ってきた。
「あ、ごめん。ちょっと思い出に浸ってた」
ははっと笑うと、ふたりも眉を下げて温かい眼差しを向けてくれた。