君への想い、この音にのせて〜こじらせ幼なじみの恋の行方は〜
勇也くんが私の前、蘭ちゃんが私の横の席に座る。
「・・・勇也」
蘭ちゃんが勇也くんに視線を送る。
それを受け取って、覚悟を決めたように勇也くんはもう一度私を見た。
「鈴ちゃん、鈴ちゃんに今日話しておきたいことがあるんだ」
「ん?・・・なに?」
改まって、なんだろう・・・
もしかして、・・・もう結婚、するとか!?
ハッと息を呑んだ。
「奏のことで・・・黙ってたことがあるんだ」
「奏のこと・・・?」
予想は大きく外れ、さっきまで思いを馳せていた人の名前にトクンと胸が鳴った。