君への想い、この音にのせて〜こじらせ幼なじみの恋の行方は〜
それから少し話をして、向こうは夜だし、奏の体に負担をかけないためにも早めに切った。
電話を切って勇也くんと蘭ちゃんを待たせてると思った私は昇降口まで走った。
昇降口に着くと、外の階段に腰掛けている二人の背中が見えた。
「ごめん!遅くなって」
「おー全然大丈夫だよ。話せた?」
「うん、話せたよ。ありがとう勇也くん、蘭ちゃん」
そう言って、勇也くんにスマホを返すと、二人とも「よかった」と微笑んでくれた。
「そうだ、私たちも今3人で写真撮って奏に送ってやろうよ」
蘭ちゃんが提案すると、
「おーそれいいな」
賛同した勇也くんがスマホで撮って奏に送った。
「反応が楽しみだな。あ、鈴ちゃん、もう卒業だし時効だから、この一年の奏のこと聞く?俺、たまに連絡取ってたんだよ」
「聞く聞く」
私よりも蘭ちゃんが先に答えた。
「うん、聞きたい」
私もそう答えると、勇也くんは楽しそうに話し始めた。