君への想い、この音にのせて〜こじらせ幼なじみの恋の行方は〜
ただの幼なじみ
カチャンッ
カチャカチャ
18時。
今日は部活の顧問の先生が用事があるとかで、いつもより30分早く部活が終わり、
みんなそれぞれ楽器の片付けを始めた。
「鈴は、奏と帰るの?」
となりで蘭ちゃんがクラを片付けながらそう言った。
「あ、うん。そうなの」
「じゃあちょっと待たなきゃだねー」
「あ、そっか、早く終わったんだった」
奏たちがまだ部活中なの忘れてた。
終わるまで待たないとだ。
「終わるまで一緒に待ってるよ」
「え、いいの?せっかく早く終わったのに」
「いいのいいのっ、語ろうよ」
「うんっ、ありがとう、蘭ちゃん」
蘭ちゃんは本当優しいなぁ。
あと20分も何もすることないし、お言葉に甘えよう。